●尿の臭いと色
尿には、からだの中のいろいろな成分が溶け込んでいます。そしてその時のからだの状態によって、においや色が異なります。
健康な人のおしっこは、ややすっぱいにおいがしますし、おしっこをそのまま放置すると、細菌の働きによりアンモニアに分解され、刺激性を持つようになります。清掃の行き届いていないトイレで感じるにおいは、このアンモニアのにおいです。
一方、おしっこの色は一般に黄色ですが、おしっこの量が少ないと、からだからの老廃物が水分量に比べ多くなり褐色となります。逆に、おしっこの量が多いと淡い黄色になります。しかし、おしっこの量が少ないのに色が薄い場合や、鮮紅色、赤褐色、乳白色、青色などのときは腎臓の病気が疑われますので、気軽にかかりつけ医に相談してください。また普段からお薬を飲んでいる人は、その薬の影響で鮮やかな色になることもあります。 このようにおしっこを観察することで、身体の様々な変化を知ることができます。わからない点や心配な点があるときは、お近くのかかりつけの医師に相談してみてください。
 
尿検査
尿には、からだの中で起こったさまざまな経過を反映するいろいろな物質、たとえば電解質、タンパク質、ブドウ糖、血液が含まれているので、その量や性質を調べ、各検査の基準値を指標に臓器の働きぐあいや病気の発生を知ることができます。
検査項目 測定意義
比重(SG) 腎臓における尿の濃縮能の指標となります。健常人でも水分摂取や運動などにより大きく変化します。
PH 尿の酸性度を表します。臨床的には抗生物質治療時や腎結石の形成を防止する際の1つの指標となります。健常人でも食事や運動によって変動します。
糖(Glu) 糖は通常、腎臓の尿細管という部位で再吸収され尿中には排泄されませんが、血糖値が上昇する糖尿病の場合、再吸収しきれずに残った糖が尿中に排泄されます。ストレスや妊娠などの生理的な要因でも尿糖が陽性となることがあります。
タンパク (Pro) タンパク尿は生理的タンパク尿と病的タンパク尿の大きく2つに分けることができます。生理的タンパク尿は運動や発熱などで見られます。病的タンパク尿には、ある種の貧血,心疾患,腎炎,尿路系の炎症や結石など多くの成因があります。
潜血反応(Blo) 潜血検査は尿中に存在するヘモグロビンを化学的に検出する検査であり、血尿,ヘモグロビン尿,ミオグロビン尿などで陽性になりますが、潜血反応が陽性となるもののほとんどは血尿であると考えてもよいです。血尿は腎・尿路系の炎症や結石など多くの要因で起こります。血尿の証明は後述する尿沈渣によって行います。
ケトン体(Ket) ケトン体は、アセト酢酸、アセトン、β-ヒドロキシ酪酸を総称し、アセトン体とも呼ばれます。ケトン体とは、脂肪の代謝によって生成されるものであり、筋肉や脳などのエネルギー源となります。通常、血中や尿中にはほとんど検出されません。しかし、糖尿病や下痢,絶食など、糖の代謝が不十分な場合、代替エネルギー源として脂肪の分解が進み、その結果、血中や尿中のケトン体が増加します。
ビリルビン(Bil)
ウロビリノーゲン(Uro)
ビリルビンは胆汁色素の主成分であり、過剰形成と排泄異常により、皮膚や粘膜に沈着して黄疸となります。ウロビリノーゲンはビリルビンが腸内で還元されてできたものです。
尿中に排泄されるビリルビン,ウロビリノーゲンを同時に測定することによって、黄疸の病型分類をすることが可能になります。
 
ウロビリノ-ゲン
 
ビリルビン
 
疾患
陽性 陽性 急性肝炎。肝硬変症、原発性肝癌
陰性 陽性 閉塞性黄疸
陽性 陰性 急性肝炎の回後期、溶血性貧血
陰性 陰性 先天性非溶血性黄疸
亜硝酸塩試験(Nit) 亜硝酸塩試験とは、ある種(大腸菌など)の細菌が尿中に存在する亜硝酸塩を還元する機能を利用して、尿中に細菌が存在するか否かを調べる検査です。
白血球(Leu)
 
白血球は膀胱炎,尿道炎などの細菌感染症や尿路結石など種々の炎症で増加します。尿中細菌検査と併用して細菌感染症の確定診断をしたり、治療効果の判定などに活用されています。
 
尿沈渣
尿には、赤血球、白血球、その他さまざまな細胞や微生物、結晶などが含まれています。これらの成分を顕微鏡を使って調べると、腎臓や尿路の状態を知ることができます。尿タンパクの検査などで異常が判明したとき、その原因を確かめるために尿沈渣の検査を行います。
検査項目 正常値 正常値より多い場合
赤血球 4個以下/1視野 腎炎、膀胱炎、尿道炎、などの尿道の炎症、腎腫瘍、腎結石の疑い
白血球 4個以下/1視野 尿道炎など尿道の炎症の疑い
円柱 1〜2個/全視野 腎炎など腎実質障害の疑い
扁平上皮細胞 少数/全視野 尿道炎、尿細管炎の疑い
細菌
ごく少数/1視野
 
細菌尿は尿に悪臭をもたらし、にごっています。
尿感染に多くみられる細菌:大腸菌・溶血性レンサ球菌・ブドウ球菌・サルモネラ・カンジタ
塩類・結晶 ごく少数/1視野 特徴的な塩類結晶が出現します。コレステリン結晶、尿酸結晶、チロジン結晶は病的です。尿酸塩の検出-痛風の疑い
検査での注意点は?
健康でも女性では赤血球が1視野あたり4個以下のこともあり、月経の時には赤血球が混じって正常値を超えることがあります。はげしい運動の直後には、赤血球が1視野あたり5個以上見られます。